お茶をいただいた後、「拝見」というものがあります。
お茶碗は飲んですぐにその場で見るのですが、
それとは別にお棗とお茶杓を見せていただきます。
まぁ、お稽古のときは、
お茶杓なんかは練習用のものだったりするのですが。
お茶会では、お茶人の作ったありがた~いお茶杓だったりするので、
お茶杓も拝見の対象なわけです。
おしまいの後、拝見用に亭主が置いていった
お茶杓とお棗を席に持っていって拝見してまた戻す。
このあと、お道具についての会話があります。
「お棗のお塗りは?」
と、客が聞いたら、
「宗哲でございます。」
と、亭主が答える。
「お茶杓のお作は?」
と、客が聞いたら、
「坐忘斎お家元でございます。」
と、亭主が答える。
【中村宗哲】
中村 宗哲(なかむら そうてつ)は、千家十職の塗師。中村家は、400年近く続く塗師の家。当初は蒔絵を施した家具などの製作(「通例塗師」といわれる)も行っていたが、明治時代以降は茶道具の塗師(「型物塗師」といわれる)専業となっている。
【坐忘斎】
坐忘斎(ざぼうさい)裏千家第十六代家元。
練習なので、塗りや作が違っても、お家元が作ったという体なわけです。
(もちろん、作が分かっている時は本物の作者を答えます。
たまに、宗哲さんや坐忘斎さん以外の人も登場します。)
さて、問題はここから。
「お茶杓のご銘は?」
と、客が聞きます。
お茶杓の銘は、亭主がつけます。
(もとから付いている茶杓もありますが。)
季節に合った雅やかな言葉を。
今の季節だったら、
「紫陽花」や「早乙女」などなど。
これ、お茶会の時は茶会のテーマに合わせて
茶杓も用意されるので、きまってたりするのですが、
練習のときは、その場で付けるのです。
だいたい季語だったり、縁起のいい言葉だったり。
するっと出てくるとカッコいい。
普段使わない雅な言葉をするっと答えて、
意味まで説明できると更にかっこいい。
常日頃から、意識して学んでいかないと、するっとはいきません。
茶道が総合芸術と言われる一端がこんなところにもあるのかなぁと思います。
■―■―■―■―■―■―■―■―■
茶道に関するブログを探すなら↓↓
にほんブログ村PR